自分軸とは適切に人に”頼る”こと – “自己責任”と“依存”から脱するために

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心・心理学

自分軸を持つこと」について、このブログでも解説してきました。5次元の感覚に至るためには、自分軸で生きることがとても大切だと言われています。

ただ「自分軸=なんでも自分ですること」と思ってはいませんか?「依存は良くない」と言われると、何でも自分で考えなければいけない、と思うかもしれません。

しかし自分軸を持つこと=適切に他者に”頼る”こと、なのです。”自分軸”と”頼る”が並ぶのは、少し意外に思えるかもしれません。

今回は自分軸について、他者との関係の中でどのように捉えたら良いのか書いてみました。心理学における他者との関係の理論である「アタッチメント理論」をヒントに考えます。

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自分軸は”他者との距離感”が重要?

そもそも自分軸とは、他人の判断ではなく、自分がどうしたいかということを基準にする、ということです。一方で他人に判断の軸を委ねるのが「他人軸」です。

他人軸と言うことについて少し考えてみましょう。

大事なことは、他人の”判断”に委ねるのが他人軸であり、他人に頼ることが他人軸ではない、ということです。

自分軸を持つことと、他人に頼ることは全く矛盾しないのです。たとえば困ったことがあった時に、友人にアドバイスを求めたとします。

友人のアドバイスを、自分では何も考えずにそのまま受け入れることが「他人軸」です。一方で友人のアドバイスを聴き、自分で一度考えてからアドバイス通りにするのは「自分軸」です。

いずれの場合も、友人に”頼る”という過程は同じですが、最終的に自分の判断が入るかどうか、が自分軸か他人軸かを分けるのです。

このように考えると、自分軸について考える上で、他者との距離感を上手く取れるか、が実は大事なポイントになってくるのではないでしょうか。

自分軸と他者との関係 – アタッチメント理論から考える

自分軸においては他者との関係も重要な要素であると述べてきました。最初に述べた通り、自分軸とは、適切に他者に頼れることです。

この点について、他者との関係性を説明した「アタッチメント理論」をもとに、さらに詳しく考えてみましょう。

アタッチメント理論の基本とタイプ

アタッチメント理論とは、他者との関係性(特に情緒面での)の発達について説明したものです。人にはアタッチメントという機能が働いて、安心の感覚を得ていると言われます。

アタッチメント(愛着)の定義は様々ありますが、ネガティブな感情を他者との間で立て直すシステムと言われます。

そしてこのアタッチメントは、幼少期の養育者との関係によって形成されると言われ、大きく分けると以下の4つのタイプに分けられると言われます。

  • 安定型:他者との親密な関係を肯定的に捉えている。
  • 不安(とらわれ)型:他者との関係を希求し、関係がなくなることへの強い不安を感じている。
  • 回避(愛着軽視)型:他者から拒絶される不安がなく、親密な関係を拒絶する。
  • 恐れ型:表面的には他者との距離を置きつつ、一方で他者との関係を求め、拒絶される不安を持つ。

「安定型」が最も適応的なタイプで、「恐れ型」が不適応に陥りやすいと言われますが、個人差を示すものと捉えるのが良いでしょう。

こうしたパターンは、対人関係の型(内的ワーキングモデルと呼びます)となって、大人になってからも無意識のうちに影響を与えると言われています。

なおアタッチメントの類型は、「Aさんは安定型」のような属性と考えるのではなく、文脈や状況によってどのパターンが出やすいかの傾向である、と捉えるのが良いでしょう。

※アタッチメント理論の詳細はこちら

愛着(アタッチメント)とは?ボウルビィによる愛着理論についてわかりやすく解説
未成熟な状態で生まれる新生児は、生きていくために重要な他者である養育者と愛着(アタッチメント)を形成するという特徴があり...

アタッチメント理論から自分軸について考える

アタッチメント理論は、対人関係の枠組みとして大人になってからも機能するもの、と述べました。ここでは自分軸と言う観点から、紹介した4つのタイプと対応させながら考えてみたいと思います。

まず「安定型」と呼ばれるタイプが最も適応的であり、不安な時に他者に助けを求めることができ、平常時は自律的に行動できるタイプであると言われています。

このように「困ったときに助けを求められる」こと、普段は他者と適切な距離を持てることが、自分軸をしっかり持っている人の態度であるように思います。

なぜなら、”他者との関係”ということについて、自分の心の状態に応じて、どのように接したいかを自分で決められるからです。

一方で、「不安型」と呼ばれる人は、不安が強いゆえに、過剰なまでに他者との接触を求めてしまうタイプであると考えられます。

このような人は、他者に依存しがちであり、他者に認められたいがために、他者に過剰に合わせてしまう傾向があります。

こうした”依存”傾向が、他人軸になりやすいと考えられます。

また「回避型」は、自分に対する信頼度は高いものの、他人を信用しておらず、親密な関係を拒む傾向にあります。

一見すると確固たる”自分軸”を持っているように見えるのが回避型です。しかし困ったときに他者に頼れないので、自分の能力を超えるような難題がやって来た時に脆くなります。

そして何でも自分でしなければならない=自己責任の考え方に陥りやすいでしょう。自分軸とは言っても、自分の中に閉じた自分軸と言えます。

最後の「恐れ型」は、他者への依存傾向・自己責任の両方の特徴を持つので、最も生きにくいタイプと言うことになります。

以上のように見ていくと、他者への依存(不安型)でもなく、自己責任(回避型)でもない、適切な距離感で人に頼ることのできる(安定型)タイプが自分軸としても安定していると言えるでしょう。

まとめ – 他者との関係が安定した自分軸を持つために

今回は自分軸と他者のと関係性について考えてみました。

自分軸を他者との関係から考えてみると、他者と適切な距離が保てること・困ったときに頼れることが、自分軸として安定した形であると言えます。

自分は自分」という割り切りがあるからこそ、他者を尊重できて、その結果、困った時にはヘルプを出すことができるのです。

このように真に対等な関係を保てることが、自分軸を持つには重要と言えるでしょう。

アタッチメントの「安定型」は、幼少期の経験の影響も大きいですが、大人になってから獲得されるとも言われています。

その方法は、「安定型」の対人関係を結んでいる人と接する時間を増やす、というものです。適切な距離感の関係を経験すれば、自分自身の関係のあり方も変化していくのです。

自分自身の感覚で、心地好い関係を築きながら、自分軸を磨いていけると良いですね。

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