「AIが人間の仕事を奪うのではないか?」と言う懸念が広がっています。総務省の28年版情報通信白書にも「人工知能(AI)の進化が雇用等に与える影響」が記載されるようになりました。
ただAIは定型的な事務や単純作業などの雇用を代替できても、人間には創造性や感情を伴う高度な役割が求められるようになる、といった指摘もよく見られます。
これがAIとの共生とも言われ、ココロノネットでは「棲み分け」と呼んでいます。
今回は人間とAIの仕事の棲み分けについて、カフェ店員を例に考えてみます。
AIは本当に人間の仕事を奪うのか?

「AIが人間の仕事を奪うのか?」という問いに対しては、確かに人間がこれまでやっていた仕事を奪う側面があるので”Yes”と言えるでしょう。
しかしAIが立ち入ることができない、あるいは立ち入っても代替可能とは言えない領域が存在するはずです。その点では”No”と言う回答になります。
カフェがAIに置き換わったら?
カフェに行って店内でコーヒーを飲む場合を例に考えてみましょう。まずは街中によくある、格安のコーヒーチェーン店を思い浮かべてみてください。
お店に入って席を確保したらレジへ行って注文、店員さんはマニュアル通りの対応で注文・お金のやり取りをします。
コーヒーはマシーンから出てきたものを、店員さんがすぐに提供しておしまいです。
一連の店員さんの仕事は果たして人間にしかできない仕事なのでしょうか?まさにこれが今後AIに奪われていく”労働”であると考えます。
注文は画面上で行えば済みますし、提供もAIによる自動化・フィジカルAIにより席まで運ぶことも可能になるかもしれません。
アルバイトの代表的な仕事の1つだったチェーン店カフェ店員は、AIに完全に置き換えられる日がやってくることでしょう。
人間は人間の仕事をするようになる
一方でAIに置き換えられないカフェもあります。店員さんやマスターこだわりのコーヒーを1杯ずつ淹れて提供するようなお店です。
コーヒーを淹れる動作1つ取っても、淹れる人の個性が表れ、味わいが変わってきます。またその時の季節、気温などに応じても、作り方や水・器の温度なども調整します。
さらにはお客さんと会話を交わし、雰囲気を見て、淹れ方を変化させているかもしれません。こうした細やかな心配りと技術は、AIによって代替しにくいものです。
加えて、店員さんとのさりげない会話のやり取りが、カフェでの時間とコーヒーの味わいまでもより良く引き立ててくれるかもしれません。
単にコーヒーを提供するだけでなく、カフェで過ごす時間を特別なものにする、これが人間にしかできない仕事だと感じます。
人間とAIの棲み分け

「AIが仕事を奪う」という見方に対しては、人間が本来行う仕事がより明確化される、と言った方が良いのかもしれません。
つまり人間がやらなくても良かったことが明らかになり、人間らしい仕事とは何か?がより明確になってきます。
今後の世界にとって重要なのは、私たちが本来しなくても良い仕事をさせられてきた、と言う自覚です。人間らしく生きるために、単純労働はしなくても良いことでした。
一方で人間らしい営みは、人間にしかできない技、心遣いが中心になっていくことでしょう。これが価値を生み出すことになります。
ただカフェの例で言えば、AIで代替可能なチェーン店カフェの需要がなくなる、ということではありません。ドライな気持ちでコーヒーを飲みたい時もあるでしょうし、便利なものです。
ですので、人間が作るコーヒー、AIが作るコーヒーが並んで選択できる状態、「棲み分け」の状態が、今後の世界となっていきます。
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