スピリチュアルに関する話題は興味のある人が多い一方で、誤解が多いために言い争いの原因にもなっている印象があります。
こうした争いは、遡れば宗教にまつわる戦争と似たところがあるように感じます。
どのような誤解が、なぜ起きるのかを知ることは、スピリチュアルの本質を感じ取るために重要なことに思われます。
今回はなぜスピリチュアルには誤解が多いのか、具体例として引き寄せの法則・棲み分けに共通する誤解から考えてみることにしました。
引き寄せの法則・棲み分けに関する誤解
誤解の起きやすい用語の具体例として、「引き寄せの法則」「棲み分け」の2つを取り上げました。それぞれの定義と、よく起きる誤解を表にまとめました。
| 名称 | 定義 | 誤解 |
|---|---|---|
| 引き寄せの法則 | ポジティブな思考が良いことを引き起こす（ネガティブな思考が悪いことを引き起こす） | 全て起きる出来事は自己責任なので文句を言ってはいけない（自己責任論） |
| 棲み分け | その人の周波数によって自然にいる場所が分かれる | 人々を分断させるもとになっている（分断） |
いずれも似て非なる概念と誤解しているように思われます。
引き寄せの法則は、自分の心（周波数）に相応しい現象が起きるというもので、誰かに責任があるかどうかということではありません。
また棲み分けも周波数によって勝手に分かれるもので、誰かの指示によって作られた枠組みではないために、分断や争いを起こすもとではないはずです。
なぜスピリチュアルには誤解が多いのか？
「引き寄せの法則」「棲み分け」に関する誤解を見ると、共通するスピリチュアルにおける誤解が多い要因が見えてきます。
ここでは（お互いに関連し合う）2つの要因から考えてみました。
人間の世界だけしか見えていないから
引き寄せの法則→自己責任と捉えてしまうのは、棲み分け→分断と同じ種類の誤解です。前者は自然現象の中にある私たち人間に起きるもので、誰が悪い訳でもありません。後者は人間だけの世界のお話、こちらはすぐに理屈で短絡的に白黒つけようとする世界のことです。
— よっしー(ありすママファミリー) (@ych369) September 6, 2024
最大の理由は「人間の世界だけしか見えていないから」ということです。
そもそもスピリチュアルがなぜ存在するのかと言えば、人間が見えているものの外側にある、真実の世界を見ようとするためです。
しかし引き寄せの法則に関する誤解である自己責任論や、棲み分けの誤解である分断は、人間の世界しか見えていないから出てくる考え方なのです。
たとえば引き寄せの法則で考えてみましょう。
私たち人間の世界では、行動を決めるのは、その人の意思決定によるものという自分だけに帰着させるシンプルな理屈を立てることで、社会生活を成り立たせています。
しかし自然界全体まで視野を広げれば、私たちが受ける結果はあらゆるものすべての影響を受けて決まっているはずです。（もちろん遠近・濃淡はあるでしょう）
私に関する出来事は、私が窓口なので、最終的に決定を下すのが私であっても、私だけが決めたのではなく、自然界から宇宙に至るまで全ての影響を受けているのです。
スピリチュアルで扱う内容は、このようにあまりに壮大なことなので、私たちにはなかなかイメージしづらいのですが、人間の世界の外側に思いを馳せるからこそ価値があるのです。
それを人間の世界だけの理屈で片づけてしまうのはナンセンスなことであり、結果的に苦しい考え方を持ち込んでしまいます。
言葉から入ろうとするから
関連することではありますが、スピリチュアルの内容を言葉から入ろうとすると誤解が起きやすいとも言えます。
スピリチュアルで扱うことは、人間の目に見えていない世界を含めて、あまりに壮大なことです。それを言葉で全て説明しようとするのは無理があります。
言葉で説明できるのはごく一部であり、私たちが認識できるように切り取ると、引き寄せの法則であれば「ポジティブな思考がポジティブな出来事を引き起こす」になります。
スピリチュアルの領域を知るには、その人自身の感覚で掴むということが何より大切になります。自身の経験を通じて、「このことだ」と体感することで初めて腑に落ちるのです。
腑に落ちた人が、後から言葉で理解し直す、ということには意味がありますが、感覚を掴んでいない人が言葉から入るのは誤解のもとです。
スピリチュアルとは、そもそも人間の世界の理屈＝言葉で説明できないもののはずです。言葉による説明はあくまで補足的なものと捉えましょう。
まとめ
今回はスピリチュアルではなぜ誤解が多いのか、について書きました。スピリチュアルの領域に踏み込むこととは、そもそも人間だけの世界から飛び出すことを意味します。
多くの誤解はスピリチュアルの領域に、わざわざ人間界の理屈を持ってくると言うナンセンスなことから起きています。
まずは長らく頭や心にこびりついた、人間の世界の理屈を取っ払うことが、スピリチュアルの領域に踏み込むために重要なことです。
ココロノネットではたびたび取り上げてきた「プラトンの洞窟の比喩」で言うと、スピリチュアルの領域に入ること＝洞窟の外の真実の世界に目覚めること、と言えます。
目覚めにおいては重要な要素であり、洞窟の中にとどまっている＝人間界だけ見ているとたどり着けない領域です。
人間界だけを見ていれば、宗教における”どちらの神が正しいか”の争いと同じことが起きてしまいます。
大事なことは、「自然の中にある私たち人間」という俯瞰した見方をすること、そして自らの感覚や経験を指針とすることです。
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