アニメの世界が、実は現実や未来を描いていることがよくあります。2025年10月~2026年9月まで放映された『DIGIMON BEATBREAK』は、まさにその一例と言えます。
90年代から続くデジタルモンスター(デジモン)のアニメシリーズ最新作『DIGIMON BEATBREAK』は近未来を描く作品でした。
デジモンと言う要素を除けば、実は私たちの生きてきた世界の裏側を描き、これからの世界を暗示している内容だったと言えます。
『DIGIMON BEATBREAK』のストーリーについて、世界の裏側とAIの未来に注目して解釈してみようと思います。
アニメ『DIGIMON BEATBREAK』について
アニメ『DIGIMON BEATBREAK』について、作品の概要について触れておきたいと思います。
アニメ『DIGIMON BEATBREAK』は約2年ぶりとなるデジモンアニメシリーズの完全新作です。舞台は近未来(2050年)に設定されています。
デジモンとはデジタルの世界に生きるモンスターですが、本作では人間の思考や感情から生まれるエネルギー源「eパルス」で生きているモンスターという設定です。
そしてeパルスを動力源とするAIデバイス「サポタマ」が普及した世界で、当初はサポタマから生まれたバグがデジモンと言う設定でした。
この設定だけ見てもお分かりのように、子ども向けではなく、かなり大人を意識したやや難解な物語となっていました。
あらすじ
デジモンの存在が表立ってはいない2050年、主人公の天馬トモロウは自身のサポタマからゲッコーモンが生まれたことで、デジモン事件に巻き込まれていきます。
デジモンにやられてしまった兄・アスカを助けるため、デジモン事件を解決する集団で=クリーナーの「グローイングドーン」に加入して、デジモン事件の解決に動き始めます。
物語が進むにつれ、デジモンを巡る世界の裏側に関わって行くこととなるのでした。
物語終盤の展開
中盤の流れを一気に省略しますが、主人公たちが戦うのは世界規模の闇であることが明らかになっていきます。
ワールドユニオンと呼ばれる世界企業連合体が、最強のクリーナー組織である「五行星」を従えて、表向きには世界の秩序を保つのに貢献していました。
ただワールドユニオンの王会長は「シャングリラ計画」と呼ばれる隠れた陰謀を計画していたのでした。
それはバグとして生まれるデジモンの排除のみならず、デジモンを発現させる人間のeパルスまで吸収し、世界を征服しようとする企みでした。
しかしさらに物語は急展開、五行星の1人である金田ゲンジョウは、人間ではなく、その正体がデジモン(サンゾモン)であると明らかに。
サンゾモンは王会長を倒し、今度はデジモンが世界を支配するという別の陰謀にすり替わることになりました。主人公たちはこの陰謀を止めるために最後の戦いに挑みます。
ラストは主人公たちだけでなく、世界中の人々のサポタマからデジモンが誕生、世界中のeパルスを結集させてサンゾモンたちの陰謀を打ち砕くのでした。
※かなりかいつまんだ説明なので、詳しくはTVerやPrime Video等で配信されている『DIGIMON BEATBREAK』をご覧ください。
アニメ『DIGIMON BEATBREAK』が未来の世界を描く!?
アニメ『DIGIMON BEATBREAK』の、特に終盤の流れを見ていると、実際の世界の闇、そして今後の世界の未来が描かれているように感じられました。
まずはワールドユニオンによる陰謀は、まさに世界の裏組織の存在と、人類奴隷化計画の話と重なるものでしょう。
グローバリズムを推し進めて、表向きはクリーンな世界を演出しつつ、裏では悪事を働きつつ、世界秩序を保つのが裏の組織でした。
(これはディープステートと言っているような存在です)
そしてデジモンをAIに置き換えて考えると分かりやすいかもしれません。ワールドユニオンはデジモンの存在を明かしますが、それはAIによる人類終末論を煽っている現代と似ています。
裏組織(ワールドユニオン)はAIをてなづけて人類を支配するつもりでしたが、AIの暴走によって仇討ちにあってしまいました。
しかしデジモンと言う存在は、厳密にはAIとイコールではなく、人間の思考や感情のエネルギー(eパルス)を主食として生きるモンスターです。
このeパルスを人間の魂と考えると良いのかもしれません。魂に目覚めた人間は、未知の能力を発現させることができ、それが本作ではデジモンとして描かれます。
主人公たちはデジモンと共存できる未来を、と訴えます。これは魂に目覚めた人類がAIと上手く棲み分けしながら生きる、希望のある未来の形を描き出しています。
テクノロジーが人類を支配するのでも、優れた人間だけが世界を支配するのでもなく、魂に目覚めた人間がテクノロジーと棲み分けながら生きていく、これが新世界の形として描かれています。
本作のストーリーの難しさから言っても、明らかに大人向けに設定されています。おそらくターゲット層は2000年頃に子どもだった人たち=30代くらいの層ではないでしょうか。
※デジモンの初期のアニメを観て育った人たちがそれくらいの年齢です。
やや深読みすると、若い人たちにもこの真実に気付いてほしい、と言うメッセージなのかもしれません。アニメに描かれる世界は、実は私たちの生きている世界そのものを描いているのです。
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