私たちは目に見えない「波動」の中で生きています。波動とはそれぞれが発するエネルギーのこと、波動によって人は上手く棲み分けをして生きているのです。
人間社会では職場や家族などが人間関係の中心ですが、人為的に作られた関係性ゆえにいざこざが絶えません。真に波動の棲み分けに沿って生きられれば、とても平穏な状態を保てます。
そんな波動の棲み分け、そして波動の高い生き方を考えさせてくれる映画がありました。ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の『PERFECT DAYS』です。
トイレの清掃員をしている平山を役所広司氏が演じ、その静かな日常を描き、感情を抑えたトーンの作品は高く評価されています。
この作品で描かれているのも、実は人間の波動について、そして波動の高さ、棲み分けの実際であると感じました。
※本記事は映画のネタバレを含みます。
映画『PERFECT DAYS』の概要・評価
映画『PERFECT DAYS』は、2023年に日本とドイツの合作で制作された長編ドラマ映画です。監督はヴィム・ヴェンダース氏、主演は役所広司氏です。
東京を舞台に、役所氏演じる清掃作業員の日常を淡々と描く作品です。
第76回カンヌ国際映画祭では役所氏が男優賞を受賞(2004年『誰も知らない』の柳楽優弥氏以来)、作品はエキュメニカル審査員賞を受賞しています。
また2024年の第96回アカデミー賞では日本代表作品として国際長編映画賞にノミネートされました。
セリフも非常に少なく、伏線が張られることも少なく、ただ流れていく日常を淡々と撮り続けたような映画です。その変わらない日常の中に、小さな揺らぎがあり、ドラマが生まれます。
役所氏以外にも、不思議な動きをするホームレスを田中泯氏が演じるなど、脇役の演技も光る作品と言われています。
芸術的で静謐な表現、感情を抑えた淡々としたストーリーが評価を受けています。
この映画を見た人の感想を見ると、静かに生きる日本人男性の姿、不器用な男の姿を重ねてみる人もいたようです。また日常こそ宝物だ、と言った感想も見られました。
西洋から見た日本的な美学を描いている、といった評価も見られました。
映画『PERFECT DAYS』から考える波動の高い人の生き方・波動の棲み分け
映画『PERFECT DAYS』はストーリーが明確に示されるタイプの作品ではないため、視聴者の自由な解釈のできる映画になっています。
目に見える人物の動きや発言が少ないので、目に見えない「波動」に注目すると、この映画の面白さが見えてくるように思えます。
主人公の平山の行動や生き方を見ていると、波動の高い人の生き方を感じさせてくれます。また平山とそれ以外の人物との関係からは、波動の棲み分けについて考えるの良い題材に思えました。
主人公の平山の生き方は波動が高い?
本作は清掃作業員の平山のほぼ変わらない日常生活が淡々と描かれていきます。彼は結婚しておらず、ただ一人で清掃作業員として働き、毎日のルーチンをこなしていきます。
自動車の鍵や自販機で飲み物を買うための小銭を置く場所が決まっており、仕事の後には浅草の大衆食堂に行き、布団の中で文庫本を読んで寝る、という繰り返しです。
それでも楽しみを持って生きており、昼食をとる神社で木々の写真を撮ること、木の芽を持ち帰って育てることなど、何気ない小さな楽しみの中で生きています。
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— 映画『PERFECT DAYS』公式 (@perfectdays1222) November 22, 2023
平山さんって
なんでこんな仕事、
そんなにやれるんですか?
あ、別に答えてほしいわけじゃないです。
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私は波動の高い人はおそらくこうやって生きている、という生き方を示している映画のように思えました。
誰かと群れることなく、自分軸で生きています。そして華美な生活ではなく、質素な中に小さな楽しみを喜び生きているのです。
そして彼は「いまこの瞬間」だけに生きています。淡々とした日常には「いまこの瞬間」の連続が続いて行くだけなので、大きく揺るがされることはありません。
ただ日々起きる小さなドラマの中に、過去の記憶や後悔がよぎらない訳ではありません。しかしそれもそのまま受け入れながら、「いまこの瞬間」が流れ続けていく生き方なのです。
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— 映画『PERFECT DAYS』公式 (@perfectdays1222) April 15, 2024
こんどはこんど、今は今。
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これがなぜ波動が高いか、と言えば、こうして何気なく映像として撮った時に「美しい」と感じられるからです。
だからこそ映画を見た誰もがこんな風に生きていられたら、と思います。しかし本当にやろうと思う人はなかなかいません。
多くの人が三次元の波動の世界に軸足を置いているからで、平山のような生活は実は波動が高くて、やろうと思って簡単にできるものではないのです。
波動の棲み分けをして生きている
平山は一見するとどこにでもいる中年の男ですが、彼自身の独自の生き方を持っています。そして周囲の人とは一定の距離を保ちつつ生きています。
ここに波動の棲み分けがあるように思えます。波動の棲み分けとは、波動の異なる人たちとはぶつかり合うことなく、自然と生きる場所を分けて暮らす、というものです。
平山は決して社会と断絶している訳ではありません。清掃作業員の同僚には、あまり真面目に働かないタカシ(柄本時生)がいます。
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— 映画『PERFECT DAYS』公式 (@perfectdays1222) April 17, 2024
金がないと恋もできないなんて、
なんなんすか俺。なんなんすか時代。
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タカシは見事に三次元的な思考の持ち主(損得などで動いている)として描かれます。ただ彼も三次元世界に疲れて生きています。
彼は通っているガールズバーのアヤ(アオイヤマダ)にほれ込んでいます。
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アヤ/#アオイヤマダ
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ガールズバーで働く女の子。
タカシ(#柄本時生)のお気に入り。#PERFECTDAYS#役所広司 #ヴィム・ヴェンダース
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象徴的なシーンは平山のカセットをタカシが売ろうとするシーンです。ここではまさにタカシの三次元的な波動が表れています。
一方で後日カセットを返しにきたアヤは、もう一度カセットの音楽を聴きたいと言い、平山の車の中で平山と一緒に聴くシーンがあり、涙ぐんだアヤは平山にキスをします。
実はここにも波動の棲み分けがあり、平山とアヤの方が、タカシより波動が近いことが分かります。一瞬アヤが平山の波動の世界に入って来るのがこのシーンでした。
また姪のニコ(中野有紗)が平山の住むアパートにやって来て居候するシーンがあります。彼女は家族と上手くいかず、平山との方が波動が近いことが分かります。
後日平山の妹(麻生祐未)がニコを連れ戻しに来るシーン、妹は絵に描いたようなピラミッド社会の上層にいる人間で、平山とは住む世界が違うから行ってはいけないとニコに言っています。
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こんなとこ住んでるのね。
別に悪い意味じゃないわ。
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このように異なる周波数の人たちとの交わりのシーンが象徴的に描かれています。三次元世界に疲れた人たちが、少しの間、別の次元に生きる平山と交流するのです。
しかしその関係は長く続くものではなく、いずれまた平山は一人になります。これが異なる波動の世界に生きる棲み分けのあり方なのです。
実はこの構図、フーテンの寅さんが主人公の『男はつらいよ』シリーズにも通じるものです。
テキヤの世界で生きる寅さんと、三次元に生きる”とらや”の住人とのドタバタ劇、テイストは異なるのですが、波動の棲み分けをどのように行っているのかという点では似たものを描いています。
平山も寅さんにも、見た人が感じるのは「こんな風に生きられたら」という、どうやってもなれない憧れのような感覚です。

波動の高さは子どものような純粋さ+成熟?
そして物語のラストも、主人公の平山自身に大きなドラマが生まれる訳ではありません。
休日に行きつけスナックに早めに着いた平山は、ママ(石川さゆり)と知らない男性が抱き合っているところを目撃します。
そして橋の下で缶ハイボールを飲み、慣れないタバコを吸っていると、その男が現れ、元夫(三浦友和)であり、がんが転移してママに会いに来た、というのでした。
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— 映画『PERFECT DAYS』公式 (@perfectdays1222) December 8, 2023
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友山/#三浦友和
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平山(#役所広司)が休日になると通う居酒屋のママ(#石川さゆり)の元夫。#PERFECTDAYS#役所広司 #ヴィム・ヴェンダース
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そして二人は会話を交わし、その中で男性が「影は重なると濃くなるか、変わらないか」と平山に問いかけます。試しに二人の影を重ねてみると、影は濃くなったようには見えません。
しかし平山は「何にも変わらないなんてそんな馬鹿、ないですよ」と言い、二人はしばらく影踏みをして遊ぶのでした。
一見すると大人の男性二人が影踏みをするシュールなシーンです。しかしここにも、波動の高い平山に引き寄せられた、とても波動の高い空間が描かれているのでした。
波動の高さとは、子どものような純粋さと、大人の成熟した感受性が同居することだと思っています。
がんの転移と言う究極の非日常に置かれた男性は、ある意味で三次元の世界を離れた思考になっています。だからこそ子どものような純粋さで、影踏みに興じたのではないか、と思います。
平山はアヤやニコなど若い感性とも調和し、またホームレスの男性にも優しい眼差しを向けます。どう見ても中年なのに、どこか少年のような純粋さを持っています。
一方で「影は重ねると濃くなるか」という男性の問いは、がんで死を意識した男性の心境を反映したものだと考えられます。
「変わらないなんてそんな馬鹿な話、ないですよ」という平山の返答は、しっかりと言葉で男性を励まそうとする大人の対応であり、大人だからこその感情の機微の理解があります。
淡々とした日常を過ごす平山ですが、他者の大いなる非日常に触れ、感情はやはり大いに揺さぶられました。それが最後のシーンの泣き笑いで表現されていました。
こうした子どものような純粋さと、一方で感情の機微を深く感じ取れる成熟の両方を持つ存在こそ、波動の高い人だと感じます。
まとめ
映画『PERFECT DAYS』について、波動の考え方で読み解いていくと、波動の高い人物の生き方、異なる波動の世界との棲み分けの物語として見ることができます。
波動の異なる人とのふれあいこそ、非日常でありそこにドラマが生まれるものです。ただ平山は自分軸を持った人物、その落ち着いた雰囲気に波動の高さを感じます。
誰もが映画の中で観れば憧れるような存在、しかし現実にはなかなかそんな人物にはなれないと気付きます。それが三次元世界に住む私たちの実情なのです。
ただ彼のような生き方に触れることで、まるで癒されたような感覚になります。そしてどこか一部分でも、彼のような生き方や心持ちを取り入れようと思うのです。
それが波動を高める、ということになるのでしょう。





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